この記事では、2つの世界遺産の登録の内容、白神山地のブナ林と入山のきまり、周辺の散策コースと白神山地ビジターセンター、縄文遺跡群の登録までの歩みと県内8か所の構成資産を、環境省・県・縄文遺跡群の公式サイトなどの案内をもとに紹介します。

青森県の2つの世界遺産

名称種類登録青森県内の範囲
白神山地自然遺産1993年12月登録された中心部16,971ヘクタールのうち12,627ヘクタール
北海道・北東北の縄文遺跡群文化遺産2021年7月27日構成資産17遺跡のうち8遺跡

世界遺産条約は1972年のユネスコ総会で採択され、日本は1992年に条約を締結しました。

世界遺産には文化遺産・自然遺産・複合遺産の3つの種類があり、有形の不動産が対象です。

県の「青森県の観光スポット」のページでも、白神山地は平成5年に世界自然遺産に登録され、三内丸山遺跡は令和3年に世界遺産に登録された「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成資産の一つとして紹介されています。

白神山地(世界自然遺産)

登録された範囲

白神山地は、青森県と秋田県にまたがる約130,000ヘクタールの山岳地帯の総称です。

このうち中心部16,971ヘクタール(青森県側12,627ヘクタール)が、1993年12月に鹿児島県の屋久島とともに世界自然遺産に登録されました。

山地は青森県南西部と秋田県北西部の県境にまたがり、標高は約200メートルから1,250メートル以上に及びます。

県の観光情報サイトは、所在地を西目屋村・鰺ヶ沢町・深浦町としています。

ブナ林と動植物

環境省は、白神山地にはこれまで人為的な開発が入らず、東アジア最大の原生的なブナ林が広がっているとしています。

約3,000万年前に北極周辺に分布していた当時に近い、特異なブナ林が維持されています。

冬は日本海側の湿った空気を受けるため雪が非常に多く、ブナ林の地面にはチシマザサに代表される多雪環境を反映した植生がみられます。

アオモリマンテマなどの地域固有の植物をはじめ540種以上の植物が生育し、35種の哺乳類、94種の鳥類、約2,200種の昆虫類などが生息しています。

イヌワシやクマゲラなどの希少な鳥類のほか、カモシカやツキノワグマなどの哺乳類が生息しています。

世界遺産地域に入るときのきまり

世界遺産地域は核心地域と緩衝地域に分かれていて、青森県側の核心地域には既存の歩道と27の指定ルートを使って入山できます。

指定ルートを使うときは、ルートを管理する森林管理署長等への入山手続き等が必要で、核心地域ではルートの整備は行われていません。

暗門の滝、十二湖、高倉森歩道、白神岳など、一般の人が気軽に訪れられる場所のほとんどは届出が要りません。

白神山地ビジターセンターは入山のマナーとして、次のことを挙げています。

  • 決められた道を歩く
  • 植物を採ったり踏み荒らしたりしない
  • ゴミはすべて持ち帰る
  • たき火をしない
  • トイレは入山前に済ませる
  • ペットを持ち込まない
  • 魚釣りをしない(世界遺産地域は全域が禁漁区)

周辺の散策コース

登録地域の周辺には散策ルートが整備されていて、県の観光情報サイトでは次のコースが紹介されています。

  • 十二湖散策コース: 「森の物産館 キョロロ」を拠点に、鶏頭場の池・青池・ブナ自然林・沸壺の池・落口の池を約40分でめぐります。
  • くろくまの滝のコース: 「日本の滝百選」に選ばれたくろくまの滝を、駐車場から徒歩15分で見られます。

県の観光情報サイトでは、青池は太陽の日照角度が高い4~8月が見頃といわれていると紹介されています。

白神山地ビジターセンターの2025年11月2日のお知らせでは、津軽峠から歩くマザーツリー見学コースは、マザーツリーが2024年5月に枯死が確認されて倒木の危険があるため、安全対策としてマザーツリーの手前で通行止めとされています。

2026年は6月19日にマザーツリー見学コースが開通しているので、現地の案内に従って歩いてください。

2026年10月19日から、暗門渓谷ルート(第3の滝)は大雨による川の増水で通行止めになっていて、開通時期は未定です。

道路・散策道・登山道は冬期間や天候によって通行止めになることがあるので、出かける前に白神山地ビジターセンターのトップページで最新の開通情報を確かめてください。

2025年は、西目屋村の津軽峠~暗門の道路が11月14日17時から冬期閉鎖になり、あわせて世界遺産の径ブナ林散策道・マザーツリーコース・ぶな巨木ふれあいの径・高倉森コースも冬期閉鎖になりました。

ほかの散策路や登山道の案内は白神山地の山歩きの記事にまとめています。

白神山地ビジターセンター

所在地青森県中津軽郡西目屋村大字田代字神田61-1
入館料無料(映像体験ホールは大人300円、高校生以下無料)
開館時間4月1日~10月31日は8時30分~17時、11月1日~3月31日は9時~16時30分
休館日4月~12月は第2月曜日(祝日の場合は翌日、8月は第4月曜日)、1月~3月は毎週月曜日と木曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始(12月28日~1月4日)
駐車場普通車60台・大型車5台(無料)

展示ホールでは、ブナの一生、ブナ林のしくみ、白神山地の生態系や人間の生活との関わりを、模型やパネルで紹介しています。

映像体験ホールの上映時間は33分です。

行き方

白神山地ビジターセンターへは、JR弘前駅から車で約35分です。

電車で十二湖へ行く場合は、JR弘前駅からJR五能線で約3時間、十二湖駅で降ります。

アクアグリーンビレッジANMONまでの直通バス「暗門白神号」は、2026年は9月19日~10月31日の土日祝日だけ運行し、時刻表は弘南バスに問い合わせます。

北海道・北東北の縄文遺跡群(世界文化遺産)

登録の内容

「北海道・北東北の縄文遺跡群」は、北海道6遺跡、青森県8遺跡、岩手県1遺跡、秋田県2遺跡の合計17遺跡で構成され、関連資産が北海道と青森県に1遺跡ずつあります。

17の考古遺跡は、紀元前13,000年から紀元前400年までの間に北東アジアで発展した、狩猟・漁労・採集社会による定住の開始、発展、成熟を示しています。

縄文人は約15,000年前に定住生活を始め、1万年以上にわたって農耕社会に移行することなく、狩猟・漁労・採集を基盤とした生活を続けました。

各構成資産は、定住の開始・発展・成熟の過程を示す6つのステージに位置づけられています。

世界遺産の評価基準は(ⅲ)と(ⅴ)が該当し、資産名は「Jomon Prehistoric Sites in Northern Japan」です。

各構成資産は文化財保護法に基づく特別史跡または史跡に指定され、資産の周りには緩衝地帯が設けられています。

登録までの歩み

時期できごと
2006年11月「青森県の縄文遺跡群」の提案書を提出(青森県、青森市、八戸市、つがる市、七戸町)
2007年12月19日北海道・青森県・岩手県・秋田県の4道県知事が「北海道・北東北の縄文遺跡群」の提案書を提出
2009年1月5日「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」が世界遺産暫定一覧表に記載
2020年1月政府が推薦書をユネスコへ提出
2021年5月26日国際記念物遺跡会議(ICOMOS)が「記載」が適当と勧告
2021年7月27日第44回世界遺産委員会拡大会合で世界遺産一覧表に記載

青森県内の8つの構成資産

遺跡所在地内容見学の注意(2026年10月20日の時点)
大平山元遺跡外ヶ浜町縄文時代のはじまりを示す遺跡冬期間も公開(積雪の状況によっては見学できない場合がある)
田小屋野貝塚つがる市古十三湖に面した貝塚を伴う集落跡12月1日~4月半ばは閉鎖
二ツ森貝塚七戸町海水性及び汽水性の貝塚が環境の変化を表す集落跡11月下旬~4月上旬は閉鎖
三内丸山遺跡青森市多様な施設で構成される大規模な拠点集落縄文時遊館からのみ見学でき、遺跡を含む常設展の観覧料がかかる
小牧野遺跡青森市複雑な配石構造を持つ大規模な環状列石11月16日~4月30日は閉鎖
大森勝山遺跡弘前市岩木山麓につくられた大規模な環状列石11月下旬~4月下旬は閉鎖
是川石器時代遺跡八戸市一王寺遺跡、堀田遺跡、中居遺跡の3つからなり、低湿地の捨て場から漆製品などが多数発見された整備のため閉鎖中
亀ヶ岡石器時代遺跡つがる市土坑墓が多数群集する墓域が広がる共同墓地で、「遮光器土偶」の名称の起こりとなった大型土偶が出土した12月1日~4月半ばは閉鎖

三内丸山遺跡は縄文時代前期~中期(現在から約5,900~4,200年前)の大規模な集落跡で、見どころ・観覧料・行き方は青森市の縄文集落跡を詳しく案内した記事にまとめています。

ほかの7遺跡のガイダンス施設やガイド、遺跡どうしの移動は県内の縄文遺跡8か所の回り方の記事にまとめています。

JR青森駅直結のJR青森駅東口ビル4階にある「あおもり縄文ステーションじょもじょも」では、県内の8つの構成資産の価値や魅力、アクセス情報等を案内しています。

2026年10月24日(土)・25日(日)は、世界遺産登録5周年を記念した「さんまるJOMONの日」として、三内丸山遺跡センターの遺跡を含む常設展の観覧料が無料になります。

この記事の情報について

白神山地の登録範囲・散策コース・行き方は県観光情報サイトの白神山地のページ、ブナ林と動植物・標高は環境省の「日本の世界自然遺産」、入山のきまり・ビジターセンター・通行止めは白神山地ビジターセンター、縄文遺跡群の登録の内容・歩み・構成資産は「北海道・北東北の縄文遺跡群」公式サイトの世界遺産の解説と各遺跡のページ、5周年の催しは三内丸山遺跡センターのお知らせによります。

いずれも2026年10月20日に確かめた内容です。