「青森 イタコ」で調べている方に向けて、イタコとはどのような人なのか、どのように修行して一人立ちするのか、口寄せがどこで行われてきたのかを、青森県文化財保護課の解説と霊場恐山の公式サイト、五所川原市の文化財ガイドブックをもとにまとめました。

イタコの服装や舞、祈願の種類、体験プログラムは、これらの資料で確かめられなかったため、この記事では扱いません。

イタコとは

県の解説では、イタコは盲目(もしくは弱視)の巫女とされています。

文献では、『平山日記』の安永元年(1772)の記に、「巫女」に振り仮名を付けて「イタコ」としているのが見られます。

菅江真澄は『岩手の山』(1788)で「盲巫女」に「いたこ」と振り仮名を付け、神おろし・加持祈祷・占いをし、亡き霊を呼び出す、と説明しています。

恐山の公式サイトは、イタコが境内で行う「口寄せ」を降霊術と書いています。

「津軽のイタコの習俗」は、昭和54年12月7日に国の「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」に選択されています。

修行と入巫式

県の解説によると、イタコは師匠のイタコについて修行し、経文や巫業の作法を学び、厳しい入巫式を経て一人立ちします。

伝承する経文はおよそ20種目あり、巫業の内容によって使い分けます。

巫業が行われるのは、イタコの自宅、村の集会所、祭りなどの場です。

口寄せが行われてきた場所

県の解説は、イタコは明治以降、恐山の大祭や川倉地蔵祭りなどで行う「口寄せ」によって全国的に知られるようになった、としています。

場所時期出典
恐山(むつ市)の夏季例大祭毎年7月20日から24日霊場恐山の公式サイト
恐山(むつ市)の秋季祭毎年、スポーツの日を最終日とする3日間霊場恐山の公式サイト
川倉賽の河原地蔵尊(五所川原市金木町)の例大祭毎年旧暦の6月22日から24日五所川原市の文化財ガイドブック(2023年)
川倉地蔵堂(五所川原市金木町)での「津軽のイタコの習俗」の公開旧暦6月23・24日県の解説

恐山

恐山の公式サイトによると、昭和30年代から「イタコ」と呼ばれる女性の霊媒師が集まるようになり、「口寄せ」が境内で行われるようになりました。

イタコは恐山に所属しておらず、恐山もイタコを管理していません。

最盛期は30人を超えるイタコの上山がありましたが、現在は数人程度です。

夏季例大祭と秋季祭はどちらも転読大般若祈祷会などの法要が続き、例年はイタコの口寄せが行われます。

恐山の参拝の決まりや境内の順路、宿坊はむつ市の霊場の開山期間と参拝順路で紹介しています。

川倉賽の河原地蔵尊

五所川原市の文化財ガイドブック(2023年)は、恐山と同じく川倉賽の河原地蔵尊にもイタコがいるとしています。

お堂の中と外に約2,000体のお地蔵様がまつられており、これは幼くして亡くなった子どもたちを供養するためのものです。

川倉賽の河原地蔵尊(五所川原市金木町川倉)は、市指定の史跡です。

川倉の地蔵堂では、「津軽の地蔵講の習俗」も旧暦6月23・24日に公開されています。

県の解説によると、津軽地方の村々では、地蔵が「身代わり地蔵」や「子育て地蔵」としてまつられてきました。

地蔵信仰の中心となっているのは中高年の女性が組織する地蔵講で、旧暦6月23日には村の地蔵堂に詣でて供え物をし、オセンダク(新しい着物)を着せ、地蔵の顔の化粧直しをします。

県の解説は、川倉の地蔵堂を地蔵信仰の中心地とし、本堂には死児の供養として供えられた大小の地蔵と、衣服や玩具などがまつられていると書いています。

金木の周辺の見どころは斜陽館など津軽の見どころで紹介しています。

後継者と上山するイタコの人数

県の解説(ページの更新日付は2010年7月15日)は、厳しい修行を必要とするため後継者はなく、若い者でも60歳を超えている、と書いています。

恐山の公式サイトによると、恐山に上山するイタコは最盛期の30人超から、現在は数人程度になっています。

訪ねるときに確かめたいこと

恐山の開山は毎年5月1日〜10月31日で、11月〜4月末は閉山です。

恐山の公式サイトのお知らせでは、2026年10月1日から閉門時刻が午後5時になりました。

恐山の公式サイトは、参拝中のお願いとして、参拝順路から出ないこと、境内の仏像・物品・植物・石などに触れたり持ち帰ったりしないこと、他の参拝者の迷惑になる行為をしないことを挙げています。

新聞・雑誌・テレビ・Web などで取材や撮影をするときは、事前に恐山の許可が必要です。

恐山の公式サイトは口寄せを「例年」行われるものとしており、その年に行われるか、どの日に何人のイタコがいるかは書いていません。

川倉賽の河原地蔵尊の今後の例大祭の日付は一次情報で確かめられなかったため、口寄せがその年に行われるかは恐山に、川倉の例大祭の日付は五所川原市などに、出かける前に確かめてください。

恐山や川倉を含む供養と慰霊の場を訪ねるときの決まりは霊場や慰霊の場を訪ねる前に知りたい決まりと法令にまとめています。

あわせて読みたい

※イタコの解説・修行・後継者は青森県文化財保護課の「津軽のイタコの習俗」(更新日付 2010年7月15日)、地蔵講は同じく「津軽の地蔵講の習俗」、恐山のイタコと大祭・参拝中のお願いは霊場恐山の公式サイト(「霊場恐山について」「夏季例大祭と秋季祭」「参拝」と2026年10月1日のお知らせ)と Amazing AOMORI の恐山のページ、川倉賽の河原地蔵尊は五所川原市の文化財ガイドブック(2023年)で、2026年10月20日に確認した内容です。行事の日程や開いている時間は変わることがあるので、出かける前に確かめてください。