青森の酒というと日本酒を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、りんごの産地らしいシードルや、県内のワイナリーが造るワイン、クラフトビールもそろっています。国税庁の資料には、日本酒の酒蔵のほか、シードルやワイン、ビールの製造場も県内各地に載っています。
この記事では、青森で造られている酒の種類と特徴、代表的な造り手、選び方と買える場所をまとめました。お土産選びや、旅先で地元の酒を楽しみたいときの参考にしてください。
青森で造られている主な酒
| 種類 | 特徴 | 主な産地・造り手 |
|---|---|---|
| 日本酒 | 山の伏流水や県産の酒造好適米を使う蔵がある。2025年に地理的表示(GI)「青森」が指定 | 青森市・弘前市・八戸市などの酒蔵 |
| シードル | りんご果汁を発酵させて造る。日本初の本格的な国産シードルは弘前生まれ | 弘前市を中心に多くの醸造所 |
| ワイン | 県内のワイナリーが、産地の名前をつけたワインを造る | むつ市・大鰐町・鶴田町・西目屋村など |
| クラフトビール | 小規模な醸造所が個性のあるビールを造る | 青森市・弘前市など |
青森の日本酒
水・米・寒さが育てる地酒
国税庁(仙台国税局)の青森酒蔵マップ(令和7年11月1日現在)には、清酒の製造場が17載っています(このうちむつ市の関乃井酒造は、2026年8月に事業停止が報じられました)。鳩正宗(八甲田・奥入瀬の伏流水)や三浦酒造(岩木山の伏流水)、尾崎酒造(白神山地の湧き水)のように山の水で仕込む蔵があり、鳴海醸造店のように「華吹雪」「華想い」といった県の酒造好適米を主に使う蔵もあります。酒造りは、寒い季節に仕込む「寒造り」が主流です。
2025年6月には清酒の地理的表示(GI)「青森」が指定されました。県産米だけを原料とし、県内で採った水を使って県内で造るといった基準を満たした酒だけが「青森」を名乗れます。
代表的な銘柄
代表的な銘柄には、青森市の西田酒造店の「田酒」、八戸市の八戸酒造の「陸奥八仙」、弘前市の三浦酒造の「豊盃」などがあります。銘柄ごとの特徴は青森の日本酒のおすすめ10銘柄、田酒の種類は田酒の種類と限定品でくわしく紹介しています。
ラベルで味わいを見分ける
日本酒のラベルにある「純米酒」「吟醸酒」などの特定名称は、国税庁の「清酒の製法品質表示基準」で8種類に分けられています。純米系は米と米こうじだけで造り、吟醸系は精米歩合60%以下で吟醸造りをした酒です。甘口か辛口かは、日本酒度がプラスなら辛口、マイナスなら甘口が目安です。ラベルの読み方は蔵元と銘柄の一覧、ラベルの読み方でくわしく紹介しています。
りんごの産地が育てたシードル
シードルとは
シードルは、りんご果汁を発酵させて造るお酒です。青森県のりんごの生産量は全国の約6割を占めます。弘前で造られているシードルには、生食用のりんごを単一品種で使うもの、数種類をブレンドしたもの、栽培の途中で摘果したりんごを使うものなどがあります。酵母の種類や発酵の期間など造り方の違いで、甘口から辛口までさまざまな味わいがあります。
日本初の本格的な国産シードルは弘前から
弘前市の資料によると、1954年(昭和29年)に弘前の酒造会社の社長・吉井勇が朝日麦酒(現アサヒグループホールディングス)と連携して「朝日シードル株式会社」を設立し、1956年に日本初の本格的な国産シードル「アサヒシードル」を発売しました。その製造技術はニッカウヰスキーに引き継がれ、現在もニッカウヰスキー弘前工場でシードルが造られています。
2014年には弘前市が「ハウスワイン・シードル特区」に認定され、市内にシードルの醸造所が増えました。国税庁の資料にも、弘前市を中心に、A-FACTORY、kimori、テキカカシードル、タムラファームなど多くのシードルの造り手が載っています。
シードルを飲み比べるなら
弘前市りんご公園の「りんごの家」では、弘前市内外のシードルを多数取りそろえています。りんご公園は入園無料で、施設の利用時間は午前9時から午後5時です。造り手ごとの味の違いを比べてみたい人におすすめです。
青森のワイン
青森県には、ワインを造るワイナリーもあります。国税庁の資料に載る主な造り手は次のとおりです。
- サンマモルワイナリー(むつ市):「下北ワイン」を製造。大鰐町の第2工場では「津軽ワイン」を造る
- つがるワイナリー(鶴田町)
- GARUTSU 白神ワイナリー(西目屋村)
- ファットリア ダ・サスィーノ(弘前市):「弘前ネッビオーロ」を製造
下北半島や津軽など、産地の名前がついたワインは、旅の土産話と一緒に楽しめる一本です。
青森のクラフトビール
青森市や弘前市には、小さな醸造所が造るクラフトビールもあります。国税庁の資料には、青森市の Aomori Brew Pub や蛍火醸造(KEIKA BREWING)、弘前市の Be Easy Brewing や GARUTSU醸造所などが載っています。造り手や楽しみ方は県内のクラフトビール醸造所でくわしく紹介しています。
青森の酒の選び方と楽しみ方
シーン別の選び方
- 食事と一緒に:刺身や焼き魚など青森の魚介と一緒に、好みの日本酒を合わせてみる
- 乾杯や軽い一杯に:すっきりした辛口のシードルやクラフトビール
- お土産に:蔵元やワイナリーの名前が入った日本酒・ワイン、りんごの産地らしいシードル
地元の料理と合わせるなら郷土料理を楽しめるスポット、地酒を出す店選びは居酒屋で頼みたい郷土料理と地酒も参考にしてください。
保存のポイント
日本酒は光と高温に弱いため、直射日光を避けて冷暗所で保存します。「生酒」「生貯蔵酒」など火入れの回数が少ない酒は、冷蔵保存が基本です。開栓後は冷蔵庫に入れ、早めに飲み切りましょう。
青森の酒を買える場所
- 酒蔵の売店:国税庁の酒類製造者一覧(令和6年11月1日現在)によると、三浦酒造(豊盃)、六花酒造(杜來)、八戸酒造(陸奥八仙)などには売店があります。一覧に売店の記載がない蔵もあるので、訪ねる前に確かめましょう
- 弘前市りんご公園:弘前市内外のシードルを多数取りそろえています
- 青森県観光物産館アスパム(青森市):1階の物産コーナーで地酒を扱っています
- 通信販売:県外から買うときは、酒類の通信販売に必要な免許を持つ店舗を選びましょう
お土産全般の選び方は青森のお土産選びもあわせてご覧ください。
青森の酒に関するよくある質問
青森で有名なお酒は?
日本酒では、当サイトのランキングで上位に選んだ「田酒」「陸奥八仙」「豊盃」から試すのがおすすめです。りんごの産地らしいシードルも、弘前市を中心に多くの造り手がいます。
青森のシードルはどこで買える?
弘前市りんご公園の「りんごの家」では、弘前市内外のシードルを多数取りそろえています。弘前市は、1956年に日本初の本格的な国産シードルが発売された土地でもあります。
青森の日本酒の特徴は?
山の伏流水や、華吹雪・華想いといった県産の酒造好適米を使う蔵があります。2025年には清酒のGI「青森」も指定されました。
まとめ:日本酒からシードルまで、青森の酒を飲み比べよう
- 青森には山の伏流水や県産の酒米で造る蔵があり、2025年に清酒のGI「青森」が指定された
- りんごの生産量は全国の約6割。日本初の本格的な国産シードルは弘前で生まれた
- むつ市・大鰐町・鶴田町・西目屋村などにワイナリーがある
- 青森市や弘前市には、クラフトビールの醸造所もある
- 酒蔵の売店、弘前市りんご公園、アスパムなどで地元の酒を買える
まずは気になる一本を選び、青森の魚介や郷土料理と一緒に味わってみてください。
※酒蔵・製造場の情報は、国税庁(仙台国税局)の青森酒蔵マップ(令和7年11月1日現在)と酒類製造者一覧(令和6年11月1日現在)、青森県酒造組合の蔵元紹介、弘前市の資料、農林水産省の資料をもとに、2026年10月時点でまとめています。施設の営業時間や取り扱いは変わることがあります。飲酒は20歳になってから。



